●通水試験
硬質ポリ塩化ビニル管路の漏れ試験及び耐圧試験を行う場合には必ず水圧で行ってください。空気圧試験は、継手が飛んだり破片が飛散する場合があり、たいへん危険です。
●接着剤蒸気の排除
配管時、仕切弁を閉じたり、先端部をキャップで密封すると、管内の接着剤蒸気によって管が侵され、通水時に破損することがあります。配管後は仕切弁、先端部等は開放にして接着剤蒸気が逃げやすいようにしてください。夜間5℃以下になる季節や地方では、配管後、送風機で蒸気を排除してください。
●適切な工具の使用
正しい施工と安全のために、切断・せん孔・接合などの作業に用いる工具は、適切な仕様品を選択してください。また、それぞれの取扱説明書の内容を十分理解したうえで使用してください。
●接着接合時の注意
接着接合にあたっては、接合後の管路内の換気を充分行ってください。接合後管路を密閉状態にすると、ソルベントクラッキングという接着剤中残存溶媒蒸気によって塩ビ管に小さな亀裂が発生する恐れがあります。特に冬期配管の場合は媒体が蒸発しにくいのでご注意ください。
●有機薬品に注意
塩ビ管・継手は、有機溶剤に対して材質的に侵されるおそれがあります。クレオソート(木材用防腐剤)、シロアリ駆除剤、殺虫剤、塗料などに接触させないでください。また、管・継手が浅く埋設されている場合、これらの化合物を地面にこぼすと地中に浸透して管・継手が侵されることがありますので、充分注意してください。例えばポリエチレンチューブで保護してください。
●防護カバーの設置
屋外露出配管では、直射日光による管の劣化を防ぎまた外部衝撃から保護するために、防護カバーをつけるなどの措置をとってください。露出管となる場合は塩ビ管に適した塗料で塗装してください。※使用方法は必ず塗料メーカーにご確認ください。
●生曲げの禁止
管の生曲げを行うと歪みが残り、破損事故の原因となる恐れがあるので、管の生曲げは行わないでください。曲がり配管を行う場合は、必ず専用の継手を使用してください。
●現場での加熱加工は禁止
施工現場での管の加熱加工は、管が焦げたり焼けたりして、強度が低下する恐れがあるので、決して行わないでください。
●塩ビ管・継手のねじ切りの禁止
塩ビ管はノッチ効果が大きく、亀裂や切り欠きがあると強度が低下するため塩ビ管・継手に直接ネジを切らないでください。
●凍結防止について
寒冷地での埋設管は、最大凍結深度よりさらに20cm深く施工してください。給水管の立上りで露出する部分は、凍結防止のため、管に保温材を巻き付けてください。
●スクイズオフ禁止
小口径の給水管の補修等において、ポリエチレン管用のスクイズオフ工具は使用しないでください。塩ビ管はポリエチレン管に比べて大きな延性を有さないため、ポリエチレン管用スクイズオフ工具を使って止水作業を行うと塑性変形による白化現象を示し、将来破損を起こす原因となります。
●シーリング材の使用
配管が建物の外周基礎や壁、床等を貫通する際に使用されるシーリング材には、硬質ポリ塩化ビニル管・継手に悪影響を及ぼす可塑剤(フタル酸エステル、DOP等)や有機溶剤(キシレン、トルエン等)を含む物(ポリウレタン系シーリング材等)があります。これらの成分を含むシーリング材は塩ビ管や継手に悪影響を及ぼす恐れがありますので使用しないでください。(推奨品:積水フーラー社製 シリコーン系シーリング材、変成シリコーン系シーリング材)
●直火近くでの配管は禁止
ガスコンロなどの直火の近くには配管しないでください。
●ガス給湯器等ガス機器と周囲の配管との離隔距離について
ガス機器の設置基準及び実務指針(財団法人 日本ガス機器検査協会)に定められた基準を遵守ください。またガス給湯器の機種により緩和されることがありますので具体的な離隔距離についてはガス事業者またはガス機器メーカーにご確認ください。